【栄養の話】腸活だけじゃない?!食物繊維は予想以上に優れもの





「お通じがなかなか出ない・・・」

そんなときよく言われるのが、

「食物繊維を取ろう」

ということ。

 

食物繊維 = 腸内環境を整えて便通を良くするもの

 

と思っている方は多いと思います。

実はそんな食物繊維はお腹の調子を整えるだけではなく、それ以外の健康への効果が次々に明らかにされ、生活習慣病の発症予防に役立つものとして注目されています。

 

今日はそんな食物繊維の、あまり知られていない意外な効能について紹介していきたいと思います。

 

 

食物繊維とは

食物繊維は、「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化成分の総体」と定義されてます。

炭水化物の一部ですがエネルギー源として利用されない成分で、水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」に分類されます。

なにこれすごい!食物繊維の意外な働き

①腸内環境の調整

これが一番知られている働きではないかと思います。

食物繊維は、便量および排便頻度の増加に働く。

不溶性食物繊維は、水を吸着し膨らむことで腸を刺激し、腸の蠕動運動を高める。また、大腸での有害物質の滞在時間を短くし、有害物質の生成を抑制する。

一方、水溶性食物繊維は腸内で水分を抱えて粘性を持ったゲル状になり、余分な栄養素や有害物質を排泄する。さらに腸内細菌により発酵を受け、ビフィズス菌などの有用菌を増やし、ウェルシュ菌などの有害な腐敗菌を減少させる。

要は「腸の活動を活発にして、有害物質を追い出し善い菌と悪い菌をうまいこと分別してくれる」ってことですね。

 

めちゃくちゃ優等生!!!

 

 

 

 

②悪玉コレステロールの上昇抑制

食物繊維には、体外へコレステロールを排泄する働きがあります。

水溶性・不溶性どちらにもその効果がありますが、特に水溶性食物繊維が効果的とされています。

水溶性食物繊維は血中LDL(悪玉)コレステロールの上昇を抑制し、動脈硬化を予防する効果があります。さらに、脂質の乳化を助ける胆汁酸を吸着し、排泄を増加させます。

ちなみに乳化とは・・・

脂質は文字通り油なのでそのままでは膵液(水)に溶けず、分解することができないため、胆汁酸が脂質を小さな粒に変え、液体に混ざりやすい状態にしてくれる。これにより膵液で消化しやすくなる。この一連の作用を乳化という。

この胆汁酸の材料となるのがコレステロールであるため、胆汁酸が排泄されることで次の胆汁酸を作るためにコレステロールが消費され、コレステロール値の低下に繋がるのです。

 

③血糖値の上昇抑制

食物繊維はブドウ糖の吸収をゆるやかにするため、食後の血糖上昇のピークを低下させる。特に穀物由来の不溶性食物繊維には、糖尿病の予防が期待できる。

食物繊維の消化吸収には時間がかかるので、低GI食品であることが多いのもこのためです。

最近よく販売されている、トクホ製品に含まれている「難消化性デキストリン」などがこの類ですね。

 

 

 

 

④血圧の上昇抑制

水溶性食物繊維はその吸着性によりナトリウムと結びつき、便と一緒に排泄させる。

ナトリウム(=塩分)の取りすぎは血圧上昇の原因となりますが、過剰なナトリウムを排出してくれることで血圧を下げる効果があるとされています。

 

まとめてみると・・・

②は脂質異常症、③は糖尿病、④は高血圧症の予防につながる作用であることが分かります。

 

 

 

 

食物繊維を取るときの注意点

過剰症/取りすぎ注意

食物繊維の摂取量が多いためにリスクが増す生活習慣病は報告されていない。

ただし、健康食品などによる過剰摂取はビタミンやミネラルの吸収を阻害する恐れがある。多く取ると下痢を起こしてしまう。また、水分が不足すると便がスムーズに移動できなくなり、逆に便秘を招いてしまうこともある。

吸収障害」「下痢便秘」に注意です!

欠乏症/便秘、続くと危険

食物繊維が不足すると、排便がスムーズにいかず、便秘になりやすくなる。また、摂取量が少ない人は心筋梗塞や脳卒中、糖尿病の発症率が高くなるといわれている。

言わずと知れた「便秘」ですが、排泄が滞ることは有害物質を長く腸内に留めておくことになり、万病につながります。

 

まとめ:生活習慣病全般に効果的な万能戦士、それが食物繊維

食物繊維はお腹の調子を整えるだけではなく、脂質異常症、糖尿病、高血圧症といった主要な生活習慣病の予防につながることが分かりました。

ちなみに私自身、改めて調べて感動しました。

最後にご参考までに、食物繊維の分類、食品について表にまとめておきます。

食物繊維の分類/含まれる主な食品

種類 主な生理作用 主な食品
不溶性食物繊維 セルロース ・便量の増加
・有害物質の排泄
・血中LDLコレステロールの上昇抑制
・血糖値の上昇抑制
・過食防止
・あごの強化
・虫歯予防
ごぼう、玄米、大豆
ヘミセルロース ごぼう、玄米、大豆
リグニン ごぼう、りんご、バナナ、ココア
キチン かに・エビの殻、さくらえび、きのこ
キトサン かに・エビの殻、さくらえび、きのこ
水溶性食物繊維 ペクチン ・血中LDLコレステロールの上昇抑制
・血糖値の上昇抑制
・便量の増加作用
・有害物質の排泄作用
・腸内細菌バランスの維持
・血圧の上昇抑制
おくら、いちご、いちじく、りんご
グルコマンナン こんにゃく
アルギン酸 昆布、わかめ
フコイダン めかぶ、もずく、昆布
マルチトール 甘味料
コンドロイチン ふかひれ、あわび、軟骨

 

明日、今日より健康になりますように。

 

 

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