病気の予防や健康維持について勉強していると、実感することがあります。
それは
「人の身体は食べたものでできている」
ということ。
疲労、睡眠障害、肌のトラブル、老化、病気・・・
どれも原因は一つではありませんが、
すべて【思考】【行動】【栄養】といった生活習慣に大きく関連しています。
中でも栄養”食べるもの”は、良質な細胞を作るうえで欠かせない材料です。何を食べるかによって、身体に溜まった毒素を追い出してくれることもあれば、逆に毒素を取り入れてしまうこともあります。
私は個人的には、栄養を気にして過剰に食事制限をすることは人に勧めていません。
ただ、元うつ病患者の私が健康知識の全くなかった当時、かなり偏った食事をしていたことは確かで「栄養と精神状態の関係を知って腑に落ちたこと」がたくさんあります。
そんな実体験も踏まえて、少しずつ栄養のことや健康につながることをお伝えしていければと思います。
今日は身体を構成する大切な栄養素【タンパク質】について詳しく触れていきます。
目次
三大栄養素の一つ、タンパク質

栄養素には炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維があり、どれも生命活動に欠かせないものです。そのうち【炭水化物】【タンパク質】【脂質】は三大栄養素と呼ばれています。
その中でタンパク質は、身体のあらゆる組織の構成成分、ホルモンや酵素の材料として欠かすことができません。ちなみにタンパク質は1gあたり4kcalのエネルギー源となります。
体内で合成できる成分とできない成分がある
タンパク質は【アミノ酸】からできています。アミノ酸は自然界に数百種類も存在していますが、人の体をつくるアミノ酸はそのうちわずか20種類です。
アミノ酸には体内で合成できるものもありますが、【体内で合成できないため、食事からとる必要のあるアミノ酸】が9種類あります。この9種類は【必須アミノ酸】と呼ばれています。
必須アミノ酸とその働き

一般的に必須アミノ酸をバランス良く含むものは【良質タンパク質】と呼ばれます。
魚介類や肉類、大豆、卵、乳製品などがこれに該当します。
必須アミノ酸9種類と、それを含む食品や働きについて紹介します。
種類 | 主な生理作用 | 主な食品 |
イソロイシン | ・神経機能の補助 ・血管を拡張 ・肝臓機能の改善 ・筋肉の強化 ・成長促進 |
鶏肉、鮭、牛乳、チーズ |
ロイシン | ・肝臓機能の改善 ・筋肉の強化 |
牛肉、レバー、ハム、牛乳、チーズ |
リシン(リジン) | ・ブドウ糖の代謝促進 ・カルシウムの吸収促進 ・細胞の修復 ・肝臓機能の改善 |
魚介類、肉類、レバー、卵、牛乳、大豆製品 |
メチオニン | ・ヒスタミン(アレルギーを起こす物質)の血中濃度降下作用 ・抑うつ症状の緩和 |
牛乳、牛肉、羊肉、レバー、魚介類、卵 |
フェニルアラニン | ・鎮痛作用 ・抑うつ作用 |
肉類、魚介類、卵、大豆製品、チーズ、種実類 |
スレオニン(トレオニン) | ・脂肪肝の予防 ・成長促進 |
卵、スキムミルク、ゼラチン |
トリプトファン | ・精神安定 ・鎮痛作用 ・抑うつ症状の緩和 |
牛乳、チーズ、大豆製品、種実類、レバー、卵 |
バリン | ・血液中の窒素バランスを調整 ・肝臓機能の改善 ・筋肉の強化 |
レバー、チーズ、海藻類 |
ヒスチジン | ・神経機能の補助 ・成長促進 |
鶏肉、魚介類、チーズ |
肝臓、筋肉、神経など肉体の健康にかかわる働きのほか、【精神安定】【抗うつ作用】など心の関係にもアミノ酸が関係していることがわかります。
この中のトリプトファンは、幸せホルモン【セロトニン】の材料となるものです。さらに、身体の一日のサイクルを整えるホルモン【メラトニン】はセロトニンを材料としています。
つまり、トリプトファン不足→セロトニン不足→メラトニン不足となり、体内リズムの乱れから抑うつ状態や睡眠障害に繋がっていると言われています。
どれか一つでも不足していると、有効活用することができない

アミノ酸は食事からしか取ることができません。そして身体は一番少ない成分量に合わせたタンパク質合成しかできないのです。
そのため、9種類の中で不足しているものがあるとせっかく取った他の成分が捨てられてしまいます。これは「桶の法則」などと呼ばれています。
もったいない!!!!!
もしかして栄養不足?自分の身体のサインに目を向けよう
現代人の生活では、エネルギーや脂質は過剰摂取傾向にあります。そしてカロリーは過剰なのに実は栄養不足が起こっている可能性があります。
私自身の実体験になりますが、うつ病になる前の食生活を思い起こすと昼食はほとんどコンビニ食でした。
コンビニの【おにぎりだけ】【菓子パン2個】【インスタントのスープ、麺類】など。仕事中は間食でお菓子もかなり食べていました。お弁当を作るにしても、ほとんどが冷凍食品。
夕食はファーストフードや牛丼屋など。
料理は不慣れで作る暇もなく、おかずが質素で肉も野菜もあまり食べていなかった気がします。
そう、炭水化物と脂質で生きていたのです。
タンパク質やビタミン、ミネラルが確実に不足していた20歳代前半。身体はヒョロヒョロ。朝からぐったりと疲れていて、一日気分は冴えず、夜は眠れませんでした。
個人的に、栄養バランスを気にしすぎた過剰な食事制限や我慢は不要だと思っています。
ただ、もしも「ずっと調子が悪いな・・・」と感じたときには、ぜひご自身の食生活を見直してみてください。自分に足りていない栄養があるかもしれません。
不調の原因は一つではないですが、自分の心と身体のサインに気づくこと「もしかして食生活かも?」と気付ける知識を持つことはとても大切だと思います。
病気の予防は、知ることから。
明日、今日より健康になりますように。