【生活習慣病】死なないけれど死ぬほど痛い、高尿酸血症・痛風





健康診断で「尿酸値が高い」と指摘されたことはありますか?

昔・・・1960年代以前までは痛風は美食家や大酒飲みだけがかかる「ぜいたく病」と言われていたそうです。

それが今では、誰もが高カロリーな食事を取れるようになり「尿酸値高いんだよね・・・」と嘆く方は珍しくなくなりました。最近ではプリン体ゼロのビールやプリン体と闘うヨーグルトなど、プリン体を下げたい人のための製品もよく見かけます。

痛風自体は生死にかかわる病気ではないのですが、「痛風になるような生活習慣」は他の病気と密接に関係しており、生活習慣病の悪化につながります。

今回は、中年男性に多い「高尿酸血症・痛風」についてお伝えしていきたいと思います。

 

高尿酸血症・痛風とは

 高尿酸血症の診断基準・・・

性・年齢を問わず、血清尿酸値が7.0gm/dlを超えるもの

 

血液の中には、「尿酸」という物質が含まれています。尿酸は、細胞の中の核酸を構成する成分であるプリン体が分解されて生じる物質です。プリン体の分解により作られた尿酸は、腎臓を経て尿として排泄されます。

通常は尿酸の合成と排泄のバランスが保たれており、体内の尿酸量は一定量にコントロールされています。

しかし、尿酸が過剰に作られたり排泄されにくくなると、体内の尿酸値が増えて血液中の尿酸値が高くなっていきます。この状態を放置していると・・・尿酸が血液中にも溶けきれなくなり、針のような形をした尿酸結晶が関節などに蓄積します。この状態が高尿酸血症です。

尿酸値が高い状態が続くと体内の白血球がこの結晶を異物と認識し攻撃、激しい痛みを伴った炎症が起こります。これが痛風(痛風発作)です。

尿酸値が上がる原因

・遺伝的な体質

・過食、栄養の偏り

・アルコール過剰摂取

・運動不足

高尿酸血症の原因としては上記のようなものがあり、元々の体質+生活習慣が関与しているとされています。

 

ちなみに、尿酸値は男性の方が女性より高い傾向にあります。これは女性ホルモンが尿酸の排泄を促進するため、女性は体内に尿酸が溜まりにくいからだと考えられています。

 

尿酸が増えるタイプとしては、3つのタイプがあります。

 ①排泄低下型:尿酸が排泄しづらいタイプ

②産生亢進型:尿酸が過剰に作られやすいタイプ

③混合型:①②両方を併せ持つタイプ

 

①尿酸は腎臓でろ過されて老廃物として排泄されますが、腎機能が低下すると尿酸が排泄されにくくなり、血液中に尿酸が溜まっていきます。

②尿酸はプリン体が分解されてできる代謝産物です。食事から過剰にプリン体を摂取したり、体質や代謝障害により尿酸が過剰に作られ、尿酸値が高くなります。

ちなみに日本人には①排泄低下型が多いそうです。

とにかく痛い・・・痛風の症状

痛風は、突発的で激烈な関節の痛みが起こるのが特徴です。

尿酸値が高い状態が続いた結果、ある日突然痛風発作が起こります。

患部は赤く腫れあがり、「風が吹いただけで痛い」といわれるほどの激痛が走ります。靴を履いたり、立ち上がったり、歩くこともままならなくなることがあります。

発作は夜から朝方にかけて起こりやすいです。

発作が起こる場所は足の指、足首、ひざ、手の指、手首など関節部分で、足の親指の付け根部分が最も起こりやすい部位です。

そのうち発作は治まるけど・・・放置していると内蔵障害に

痛風発作の痛みは特に治療をしなくても徐々に治まり、2週間ほどで痛みが取れます。

しかし、その後尿酸値が高い状態を放置しておくと、痛風発作を繰り返すことになります。

さらに放置し続けると、関節に尿酸が溜まり「痛風結節」というコブができます。

痛風が慢性化すると、腎機能が低下して「痛風腎」と呼ばれる腎障害、排尿の経路に「尿路結石」と呼ばれる石ができます。

尿路結石も、血尿が出たり、激烈に痛むそうです。

予防と治療、尿酸値は生活習慣により改善できる

高尿酸血症・痛風の予防や治療の方法としては(1)食生活の改善、(2)運動、(3)薬物療法の3つが挙げられます。

(1)食生活の工夫

①適正エネルギーの摂取、体重コントロール

体重と尿酸値には深い関係があるため、過剰なエネルギー摂取を控え体重をコントロールする必要があります。また、プリン体を多く含む食品の摂取は控えることで、尿酸が過剰に作られることを防ぎます。

ー プリン体含有量の多い食品(食品100gあたりのプリン体含有量) ー

300mg~ 鶏レバー、まいわし干物、いさきしらこ、あんこうきも酒蒸し
200~300mg 豚レバー、牛レバー、かつお、まいわし、大正えび、まあじ干物、さんま干物
50~100gm うなぎ、わかさぎ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、つみれ、ほうれんそう、カリフラワー
~50mg コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼き竹輪、かずのこ、すじこ、さつま揚げ、ウインナーソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果実、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、海藻類

プリン体が多い食品は渋いメニューが多い・・・!!!

②アルコール摂取を控える

 

これが一番、大事だけど守るのが難しいところではないでしょうか・・・。

ビールにはプリン体が多いと言われていますが、そもそもアルコール自体が尿酸の合成を促進します。

さらに、アルコール代謝で生じるアセトアルデヒドは尿酸の排泄作用を抑制してしまいます。

つまり、アルコール自体に尿酸値を上げる作用があるので、アルコールの種類に関わらず飲みすぎないことが肝心です。

適量は・・・1日に日本酒で1合、ビール中瓶1本程度です。

③水分をしっかり取る

これは、比較的実践しやすいことではないでしょうか?

水分を十分に摂取することで、尿酸の排泄が促進されます。尿酸値が高い方は毎日1日2L以上の尿量を保つように飲水するとよいと言われています。

④野菜、海藻類をしっかり取る

尿酸は尿が酸性に傾くことで溶けづらくなり排泄されにくくなり、結果として尿路結石を起こしやすくなります。野菜や海藻類は尿をアルカリ化しやすく、プリン体含有量が少ないので積極的に摂取するとよいそうです。

(2)運動、適度な有酸素運動により代謝を良くする

激しい運動、短距離走などの無酸素運動は尿酸の生成を促進し、尿酸値を増加させるため避けたほうがよいと言われています。逆にウォーキングや軽いジョギング、ゆったりとしたペースでの水泳、サイクリングなどの有酸素運動は尿酸値への影響が少なく、糖・脂質の代謝改善とともに尿酸値を下げることにもつながります。

(3)薬物療法

発作時に使用する薬と、再発防止のために使用する薬があります。

痛風発作時の薬

①炎症を抑える薬・・・いわゆる痛み止め。非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)と呼ばれるもの。

②白血球の働きを弱める薬・・・いわゆるステロイド薬。免疫抑制剤。

 

再発防止の薬

①尿酸の排泄を促進する薬

②尿酸の産生を抑制する薬

 

薬を使わずに生活習慣を整えて尿酸値をコントロールできるのが一番ですが、遺伝・体質的に尿酸値が高い方もいるようです。体質に合わせて尿酸値を下げる薬が選択されます。

まとめ:別に死にはしないけど予防は大事。だって発作が出たら、痛いから。

尿酸値が高いだけでは、重篤な合併症になったり死ぬということはありません。

でも、痛風発作や尿路結石になったらとにかく痛いです。

辛いのは、自分の身体。

健康診断で「尿酸値が高い」と指摘を受けたことがある方は、無理なく実践できるところから生活を見直してみてくださいね。

明日、今日より健康になりますように。