お勉強大好きナース、毒茄子です。
勉強用コーナーは看護学生、医療系学生向けにお送りします。
「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」
といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。
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今回は「精神遅滞」について。
精神遅滞とは:概要/定義
・精神遅滞とは、知能の発達が遅れ、最終的に到達する知的能力も低い水準にとどまる障害を意味する
精神遅滞における〈知的野力〉とは『言語機能』『思考能力』『対人関係の能力』『社会的能力(社会性)』が統合されたもの。
さらに『情緒の発達遅延』『身体機能の発達遅延』『運動機能の発達遅延』を含むこともある。
原因
現在、成因により3つの領域に分類するのが一般的である。
①生理的成因 | 遺伝的素因が認められることもあるが、そのほかの病理的な成因が見いだされないもの。精神遅滞の大半がここに含まれる。 |
②病理的成因 | ・遺伝子病(結節硬化、フェニルケトン脳症、ガラクトース血症など) ・染色体異常(ダウン症候群など) ・先天脳奇形(小頭症、水頭症など) ・内分泌障害(先天性甲状腺機能低下症など) ・胎生期から出生後までの感染症(風疹、トキソプラズマ、梅毒などの胎内感染、細菌・ウイルスによる脳炎、髄膜炎) ・中毒 ・脳外傷 ・出生時の低酸素状態 |
③心理社会的成因 | ・乳幼児期の養育環境の極端な貧困などが疑われるもの |
知能指数の水準による分類
分類 | IQ |
①軽度精神遅滞 | 50~70 |
②中等度精神遅滞 | 35~49 |
③重度精神遅滞 | 20~34 |
④最重度精神遅滞 | 20未満 |
状態・症状
・精神遅滞の子どもは、ある面では非常に敏感で、脆弱な心身をもっているとされる。 ストレスにさらされると様々な反応を示す。
・衝動的な問題行動(家出、放浪、性的逸脱行動など)
・引きこもり
・自傷行為
・他者への乱暴
・躁鬱状態
・統合失調症様の幻覚妄想状態
※上記の症状は、軽度精神遅滞から境界知能(IQ:71~84)にかけての子どもに多い。 また、思春期~青年期にかけて生じやすい。
知能指数分類による症状(到達段階)
重度/最重度精神遅滞 | ・他者との言語的交流がきわめて限られている ・情緒的に早期幼児期の段階にとどまる ・生活の自律が不完全であり、多くの介助が必要 |
軽度精神遅滞 | ・言語発達・情緒発達が小学校年代の水準に達する ・幼児期からのトレーニングと適切な社会的援助により、社会的な自立も可能 |
中等度精神遅滞 | ・重度/軽度の中間の状態像や精神発達の到達段階を示す |
治療
・【療育指導/治療教育】が中心となる
<幼児期~>
現在、各種の相談所(児童相談所、言葉の相談室など)、療育センター、通園施設などが、
幼児期からの精神遅滞児のための療育指導や発達促進的トレーニングにあたっている。
<学齢期~ >
・軽度精神遅滞の場合...普通学級か特殊学級での教育
・重度/最重度の場合...養護学校における治療教育
・問題行動や、別の精神症状の出現などが目立つ場合、薬物療法などの治療が検討される