ビタミン、というと何を想像しますか?
「身体に必要な栄養素」「摂ると身体にいいもの」「野菜にたくさん入っている」など、”なんとなく身体にいいもの”というイメージはあると思います。ビタミンはその種類や特性によって効果的な摂取方法が異なります。ビタミンが含まれている食品を摂取しても調理によって栄養が失われてしまったり、食材の組み合わせによっては食べているのに効果的に吸収されなかったりといったことが起こります。
一つ一つのビタミンについても今後少しずつ書いていきますが、今回はビタミンとは何か、おおまかな分類と特徴についてお伝えしていきたいと思います。
そもそもビタミンとは何か
ビタミンとは、身体の機能を正常に維持するために不可欠な成分です。
・身体を構成する三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)の代謝を円滑にする役割を担う。
・血管や皮膚、粘膜、骨などの健康を保ち、新陳代謝を促す。
・体内でほとんど合成されないため、食物から摂取する必要がある。
脇役だけどいないと困る奴ら、それがビタミンです。
ビタミンの分類と特徴
ビタミンには大きく分けて、水に溶けにくい「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」があります。
脂溶性 | ビタミンA | |
ビタミンD | ||
ビタミンE | ||
ビタミンK | ||
水溶性 | ビタミンB群 | ビタミンB1 |
ビタミンB2 | ||
ビタミンB6 | ||
ビタミンB12 | ||
ナイアシン | ||
パントテン酸 | ||
葉酸 | ||
ビオチン | ||
ビタミンC |
壊れにくく脂と相性が良い、脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは、水に溶けにくくアルコールや油脂に溶ける性質を持っています。食物中の脂質とともに小腸から吸収され、主に肝臓に蓄えられます。
●特徴
・熱に強いため、調理による成分の損失が少ない(加熱で失われにくい)
・脂質と一緒に取ると吸収されやすい
・体内に蓄積できる
・大量に摂取すると過剰症を起こす可能性がある
野菜炒めにしたり、脂質を含む肉などと一緒に食べることで吸収効率が高まります。
成分が失われやすく貯蓄ができない、水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは、水に溶けやすく、脂質に溶けにくい性質を持っています。余分に摂取しても体内に蓄積されず、尿から排泄されていきます。
●特徴
・炭水化物・タンパク質・脂質の代謝や合成をサポートする
・種類によっては、調理方法で成分が失われやすい
・体内に貯蔵ができない
・過剰症は起こらないが、常に一定量を摂取し続ける必要がある
一つ一つ種類によって扱いが異なるため、調理方法に注意が必要です。例えば様々な野菜や果実に含まれるビタミンCの場合、水に溶け熱に弱い性質があります。生野菜でも長時間水にさらすことで成分が溶け出したり、加熱調理で壊れやすいため、食べる前に成分が失われている恐れがあります。
コンビニや外食で食べるサラダは工場などで洗浄されているため、食べる頃には相当量のビタミンが失われている可能性があります。
主役じゃないけど、必要不可欠。それがビタミン。
身体を作る主役は炭水化物、タンパク質、脂質ですが、主役だけでは代謝はうまくいかず、十分に活躍することができません。逆にビタミンやミネラルなど脇役ばかりを身体に入れても、主役のいない舞台では役に立つことができません。
ビタミンは種類によって、体内をきれいにして老化を防止する抗酸化作用などが備わっており、過剰なコレステロールなど余分な成分を体外に排出してくれます。
現代の食生活では、エネルギーは過剰なのに栄養失調ということが起こっているといわれています。
ダイエットのために野菜や果実ばかり摂取する方がいますが、ビタミンだけでは身体が作られません。体重は減るかもしれませんが、栄養失調で肌や骨などの細胞がボロボロになる恐れがあります。
また、炭水化物や脂質ばかりを摂取することで余分な成分が溜まり続けて肥満になります。逆にある程度多く食べていてもバランス良く栄養を取っていれば、ビタミンが過剰な成分を排出したり、体内の最適な状態を維持するためのサポートをしてくれます。
健康のための食べ物や栄養については、今後の記事で詳しく触れていきたいと思います。