【骨折予防】誰もが縮んでいく骨粗鬆症。病態と治療、予防方法とは





健診の仕事をしていると、高齢の患者さんが決まって言う言葉があります。

 

「あぁ~、また小さくなった・・・」

 

「今年も縮んだ・・・」

 

 

 

 

 

 

そう、身長が年々低くなっていきます。

加齢に伴い、多かれ少なかれ誰もが骨の密度が少なくなり徐々にもろい状態になっていきます。

60歳代から縮みはじめる方が多い印象です。

「猫背になるから?」

と思われた方がいるかもしれませんが、姿勢が真っ直ぐの方でも減っています
毒茄子の高齢者の健診経験の中では、ほぼ全員が「今年も縮んだ・・・」と嘆いています。

なぜ背が縮んでいくのか、今回は骨の構造と骨粗しょう症についてお伝えしていきたいと思います。

そもそも骨ってどんなもの?

骨の役割

①身体を支える

②カルシウムを蓄える

③臓器を保護する

④血液を作る

骨は”身体を支える支柱”としての役割のほか、脳や心臓、肺など身体の大切な臓器を外部の衝撃から守る、”保護器官”としての働きを持っています。

また、骨には”カルシウムの貯蔵庫”としての役割があります。カルシウムは、人体のあらゆる細胞機能の調整に関わっており、生命維持に欠かせない成分です。体内のカルシウムのうち99%が骨や歯に含まれ、残りの1%が血液や細胞内に存在し、一定量に保たれています。そのため、細胞に必要なカルシウムが不足すると、骨からカルシウムが少しずつ溶け出していきます。

さらに、骨の中心部にある骨髄では、赤血球・白血球・血小板などの血球が作られており、”血液の製造工場”としての役割も果たしています。

常に生まれ変わる骨

骨は、強さとしなやかさを保つために絶えず破壊と再生を繰り返し、新しい骨へと生まれ変わっていきます。「破骨細胞」と「骨芽細胞」といいう細胞が骨の新陳代謝を行っています。

古くなった骨を破壊する「骨吸収」、骨を再生していく「骨形成」が繰り返されます。骨吸収には約6週間、骨形成には約4ヶ月かかり、全身の骨は約3年という長い年月をかけて作りかえられています。

しかし、歳を重ねるにつれ、骨の代謝サイクルが衰え、骨吸収に対して骨形成が追いつかなくなり、壊した骨を修復しにくくなっていきます。これにより骨は徐々にスカスカになり、骨折しやすくなります。

加齢で起こる骨粗しょう症

骨がもろくなる原因

・加齢

・閉経によるホルモンバランスの変化(女性)

・腸からの栄養吸収力の低下

・食生活の偏り(過度のダイエット、アルコール多量摂取など)

・喫煙

・運動不足

・日光照射不足

骨の量・密度は20歳前後をピークに、徐々に低下していきます。男性はゆるやかに低下していきますが、女性は閉経を期に急激に骨量が減少します。女性ホルモンの一つであるエストロゲンが骨の代謝に関わっているのですが、閉経によりエストロゲンの分泌が急激に低下することで骨量の減少が起こります。

骨粗しょう症の症状、健康への影響

・背が低くなる

・背中が曲がる

・背中や腰の痛み

・骨折

密度が減り骨が薄くなり、背が小さくなり、しなやかさを失うことで痛みが出現し、ささいなきっかけで骨折する・・・。

毒茄子の知っている限りで「イスに座ったら太ももの骨が折れた」「くしゃみをしたはずみで腰の骨が折れた」といった、本当にちょっとしたはずみで骨折した事例があります。

骨を守るためにできること

骨粗しょう症の予防、治療の基本は「食事」「運動」そして「適度な日光浴」です。

カルシウム以外も大切、食事から得る栄養素

骨をつくるために重要な栄養素は骨の材料となる「カルシウム」、腸からのカルシウム吸収を助ける「ビタミンD」、カルシウムの働きをサポートする「マグネシウム」などです。他にもタンパク質やリンなど、身体の組織や骨を作るために必要な栄養素をバランス良く取ることが大切です。

魚介類や乳製品、大豆食品などに含まれている栄養素が多いです。

また、カルシウムとともに骨を構成する「リン」は取りすぎに注意が必要です。インスタント食品や炭酸飲料、スナック菓子に多く含まれており、過剰摂取はカルシウムの吸収を抑制してしまいます。

骨と筋肉を強くする、適度な運動

ウォーキングなど適度な運動をすると骨に刺激が加わり、骨にカルシウムが定着しやすくなります。また、筋力強化にもつながるため身体の安定性が高まり、転倒による骨折予防につながります。

適度な日光浴が、ビタミンDをつくる

カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、日光を浴びることで体内で合成することができます。とはいえ全身に日光を浴びる必要はなく、面積としては手や腕、顔だけで良く、日が照っている時間帯に30分程度外に出るだけで十分といわれています。

ビタミンDは体内に蓄えることができるため、毎日ではなく週2~3回でも日光を浴びると効果的です。

他人事ではない、若くても骨粗しょう症は起こる

骨粗しょう症は高齢者に起こるもの、と感じたかもしれませんが、最近では若い人でも骨がもろい人が多いと言われています。厚生労働省は1日あたりのカルシウム目標値を男性600~650mg女性550~600mgと設定していますが、実際にこれだけ取れている人は少ないのが現状です。ちなみに牛乳1杯(200ml)のカルシウム量は200mg前後。

さらに栄養の偏りや運動不足、夜型の生活など、骨を弱くする生活習慣を重ねることで、丈夫な骨が作られなくなっていきます。

また日焼け止めを常に塗っている方は皮膚への紫外線をカットしてしまい、ビタミンDの合成ができないそうです。

美白思考で運動嫌い、偏食、通勤以外で日に当たらない・・・

 

 

 

 

・・・こんな方は要注意です!

まずは知るところから、徐々に生活を見直していく

読んでいて、「あれっ、自分の生活やばいかも?」と思った方もいるのではないでしょうか。

ちなみに典型的な不健康生活を送っていた20代前半の毒茄子は、常に心身ともに疲れてボロボロでした。生活を見直して30代になってからの方が疲れにくくなり、人生で一番体力と気力があります。骨に限らず、生活習慣は未来の自分を変えてくれます

一日会社にこもっている人は、昼休みにコンビニや定食屋さんまで歩いてみる、普段は肉を食べているけどたまには魚にしてみるなど、ちょっとしたことから始めてみることをおすすめします。

明日、今日より健康になりますように。