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【看護学生向】褥婦:乳房の観察と乳汁分泌の機序、経日変化、ホルモン

「忙しい看護学生さんの勉強を少しでも楽にできたらいいな」

「事前学習・実習・国家試験対策に役立つ情報が気軽に調べられたらいいな」

そんな思いから「毒茄子(毒ナース)」は生まれました。

 

毒茄子の勉強部屋では、

「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」

「レポートにまとめるときに参照したい」

といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。

 

今回は【褥婦の産後観察(乳房の観察、乳汁分泌の機序、経日変化、ホルモン)】について。

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【褥婦】乳房の観察と乳汁分泌の機序、経日変化、ホルモン

乳汁分泌の機序

・妊娠中は、エストロゲン・プロゲステロンの作用により乳管や腺房・小葉が発達するが、乳汁分泌は抑制されている。

・分娩後、エストロゲン・プロゲステロンの急激な低下により、これらの乳腺に対する乳汁分泌抑制作用が解除され、プロラクチンの作用が主体となり、乳汁が分泌される。

・乳汁分泌は産褥2~3日までに始まる。

・乳汁分泌促進には、主にプロラクチンとオキシトシンが作用する。

 

妊娠 分娩 授乳
胎盤由来のエストロゲン増、プロゲステロン増により
①プロラクチン(PRL)増
②PRL受容体発現減
③PRLとPRL受容体との結合抑制
→乳汁分泌抑制
胎盤娩出でエストロゲン減、プロゲステロン減、これにより
①PRL受容体発現増
②PRLとPRL受容体との結合抑制解除
→乳汁分泌開始
吸啜刺激により
①PRL増、オキシトシン(OT)増
→乳汁分泌増、子宮収縮(子宮復古)

 

乳汁分泌に関わるホルモン

【促進】
オキシトシンとプロラクチンが主体、その他インスリン、サイロキシン、副腎皮質ホルモンが働く

【抑制】
エストロゲン、プロゲステロン、ドパミン(PRLの分泌抑制)

 

乳汁の経日変化

初乳 移行乳 成乳
分泌時期 産褥3~5日 産褥6~14日頃 産褥2週間以降
色調 黄~淡黄色 →→→ 白色
性質 粘稠性 →→→ 漿液性

 

乳房の変化

◎乳房の形態

  Ⅰ型 Ⅱa型 Ⅱb型 Ⅲ型
形状の特徴
扁平 おわん型下垂を伴わない おわん型やや下垂している 下垂が著しい大きい
 上下の比率 比率 a < b a = b a > b a > b

 

◎乳頭の形

 正常な乳頭  扁平乳頭  陥没乳頭
 乳輪部、乳頭、乳頭頂がほぼ平面に並ぶ。 ・真性陥没:乳頭、乳輪平滑筋の形成不全。乳頭が陥没していてどのようにしても反屈しない。
・仮性陥没:乳輪部周囲を圧すると乳頭が反屈して突出する。

 

◎乳房・乳頭の状態の観察

・乳房緊満は、血液とリンパが乳腺や周囲組織に増加し、乳房がかたく触れ、熱感や圧痛を伴う状態をいい、通常産褥3~4日ごろに起きる(乳汁をつくり出す作用が急激に起きているための反応)

・乳汁分泌状態については、乳頭・乳輪部を圧迫して、乳汁の排出の状態・排出している乳管の開口数、授乳前後の乳房の張りや緊張の度合いを比較することで、分泌状態や乳管の開通状況を推測する。

・乳房・乳頭の状態や全身状態から、乳管閉塞や乳腺炎との識別をする。

 

◎乳房緊満・乳管閉塞・乳腺炎の比較

乳房緊満 乳管閉塞 乳腺炎
時期 産褥早期、徐々に起こる 授乳後、徐々に起こる 産褥10日以降、突然起こる
部位 両側性 片側性 通常、片側性
腫脹、熱感 全体的 限局性
熱感はわずか、もしくはない
限局性の発赤、熱感、腫脹
痛み 全体的 軽度、限局性 強度、限局性
体温 38.4℃以下 38.4℃以下 38.5℃以上
全身状態 良好 良好 感冒症状

 

 

参考書籍・学生時代にお世話になった参考書/専門書たち

 

 

 

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