前職SE、転職ナースの毒茄子です。
「看護師」と聞いてどんな働き方を想像しますか?
病院や診療所で、白衣を着ているイメージが強いのではないかと思います。
私自身、看護師になってから病院で働いていたので、辞めてから知った意外な仕事がたくさんあります。
その中で私が経験した働き方の一つに「ツアーナース」があります。
「ツアーナースってなに?何のツアー?」
私自身最初に言葉を聞いたときは全くピンと来ませんでしたが、今回は私の経験談としての「ツアーナース」のお仕事を紹介したいと思います。
目次
ツアーナースってどんな仕事?
ツアーナース(添乗看護師)とは、団体での旅行などに同行し、旅行者の健康のサポートをする仕事です。
主に旅先での怪我や病気の対応を行います。
「旅行」と言っても範囲は幅広く、小中学生の移動教室や林間学校・修学旅行への同行から、スポーツ合宿、介護が必要な高齢者向けの旅行などがあります。
この中で比較的多いのは、小中学生の旅行の添乗業務です。
私も小中学生の旅行に何度が同行したので、今回はその事例を元にお話しします。
基本はバスツアーで二~三泊。一学年を預かる大人たち。
林間学校や移動教室などは、学年単位での行事になります。
なので当然、一学年の生徒の旅行に同行します。
基本的には、
といった形での旅行となることが多いです。
生徒や先生と同じように学校に集合し、一緒にバスに乗り旅先に同行し、バスで学校まで戻り解散。という形が一般的です。
看護師は学校から渡される「救護・救急用バッグ」を持って旅に同行します。
山に海。移動が多いので体力は大事。
林間学校ではハイキングやオリエンテーリングなど、山登り・山歩きなどを行うのが一般的です。
この際は、看護師も先生や生徒達と一緒に同行し、怪我や急病が出た場合の対応にあたります。
大きなトラブルは滅多にないですが、擦り傷や捻挫など、転んで怪我をする子どもはいます。
学校によっては、「山小屋で待機」「旅館で待機」ということもありますが、基本的には生徒の行動に同行するため、ある程度の体力は必要です。
子どものペースでの移動とはいえ「全く体力に自信がない」という方は要注意です。
子ども好きにはたまらない?!気づくと周りに集まってくる子ども達。
学年・年頃にもよるとは思いますが、何十人も子どもがいると、必ず人懐っこい子どもがいます。
「保健のせんせーもカラオケ歌ってー!!!」
「せんせーも遊ぼーー!!!」
キャンプファイヤーに肝試し、牧場体験など、子ども達の行事を見守るのも仕事なので、自然と子ども達との触れ合いが多くなります。
もちろん業務中なので気は抜けませんが、旅に同行する以上コミュニケーションは必要です。引率の先生と相談しながら、子ども達と関わっていきます。
仏頂面で見守ってる看護師さんがいたら・・・嫌ですよね。
食事や宿泊先はもちろん保障されている
当然といえば当然のことではありますが・・・。
旅先での食事や泊まる部屋などは給料とは別にきちんと用意されているため、自己負担が発生することはまずありません。立替金が必要となることはありますが、後から返金されます。
個室を用意して頂けることも多く、温泉付きの施設などもあるため、夜間の対応がなければゆっくり休むことができます。
ちなみに基本的には業務時間は起床~消灯時刻までとなっていますが、夜間も必要となった場合には対応が求められます。
怪我や急病の対応、病院受診の必要性。冷静な判断力が求められる。
旅先では、大きな医療機関が近くにないことが多いです。
そのため、怪我や急病の際「すぐに医療機関を受診させるべきか、そのまま経過観察するか」といった判断が求められます。
対応する看護師側として、プレッシャーや不安は当然あります。
ただ、子ども達を良く知っているのは、担任の先生や子どものご両親です。
事前にご両親からお子さんの持病や心配事、注意点などが必ず先生に伝えられています。
ご自身の知識や経験に加え、周りの人とのコミュニケーションをしっかり取ることができれば、冷静に判断して対応できると思います。
対応例:バス酔い、けが、熱中症・・・
ツアーナースをする中で、対応が多かった例を挙げてみます。
①バス酔い
基本バス移動なので、学校~現地まで数時間あり、吐いてしまう子はいます。
②擦り傷、捻挫
これは、お年頃なので仕方ないといえば仕方ない。山で転ぶこともあれば、子ども同士のいざこざで怪我をすることも!
③発熱。風邪?熱中症?
夜、熱が上がる子がいます。水分補給をしてしっかり眠ると朝にはケロッとしてる子が多いです。こまめな水分補給を呼びかけましょう。
④なんとなく・・・不調
「せんせー、なんか調子悪~い」
これ、結構多いです。
家族と離れて慣れない環境、クラスメイトとの共同生活、アクティビティなどなど・・・。
環境に馴染むのが早い子ばかりではありません。
元々集団生活が苦手な子、体力があまりない子、親と長時間離れて不安になる子など、子ども達はそれぞれ様々なストレスを感じています。そんなとき、一緒にいるだけで落ち着いてくる子もいるので、優しく見守ります。
その他にも、骨折、火傷、食物アレルギーや蜂の毒によるショック症状など様々な症例が考えられます。ある程度想定を立てて対応策を調べておきます。
まとめ:体力とコミュニケーション能力は必須。柔軟なフットワークで挑むツアーナース。
ツアーナースの仕事では、自然や人と触れ合うことができます。
仕事ではありますが、大きなトラブルがなければ参加者とともに楽しく過ごせる時間が多いです。
その反面、いざというときの判断や対応を求められるため責任があり、気を引き締めて臨む必要があります。
柔軟な対応ができることが何より必要となってくるのではないかと思います。
余談ですが、子ども達に提供される食事の量が思いのほか多くてビックリしました。
おかげでこの夏、数件のツアーナース業務に行った毒茄子は行くたびに体重が増量し・・・未だに戻りません。
3~4kg増・・・山登りしたのにプラマイプラス!
訪問入浴に行ったら痩せるかな?!と思う今日この頃です。
予防医学を学ぶ看護師として、自己健康管理に励みます。