【看護学生向】母性/分娩の時期・定義、分娩各期の看護まとめ





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毒茄子のお勉強部屋では、

「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」

といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。

今回は【分娩の時期、各期に応じた看護】について。

 

分娩の時期

分娩第1期
(開口期)
陣痛発来(陣痛発作が1時間に6回以上、または周期が10分以内になったとき)~子宮口全開大(10cm)まで
分娩第2期
(娩出期)
子宮口全開大 ~ 胎児娩出まで
分娩第3期
(後産期)
胎児娩出 ~ 胎児付属物(胎盤・卵膜)の娩出完了まで
分娩第4期 胎児付属物娩出 ~ 2時間まで

 

分娩各期の看護

分娩開始前~分娩第1期

身体的変化 心理・社会的変化 看護(アセスメント・助言・援助など)
分娩開始前:
妊娠37週~分娩の徴候
・前駆陣痛の発来。
・胎児の下降(上腹部が楽になる)
・産徴(おしるし)
・体重増加が止まる。・前期破水:
陣痛はないが、卵膜が破れ羊水が流出。少量のみから、
歩くたびに流出する感じがある場合まで色々あり、確定診断・入院が必要。
分娩が近づいたという喜びと不安。
分娩入院準備が整う。
・準備はほぼできた。早く産みたい。
・いつ入院すべきか、陣痛はわかる
かなど、不安はあるが、どうにか
なるだろう。・破水したことによって、異常になるの
ではないかなど、不安が強くなる。
・移動中はできるだけ座位または
横になる。
・分娩の徴候を正しく理解しているかを把握する。
・入院準備・入院の時期・入院手続き(昼間と夜間)・バースプランなどの確認をする。
・陣痛発来や破水時の対処法、陣痛測定法や過ごし方について、具体的な情報を提供する。
・異常が考えられる場合や、破水時の注意事項を確認する。
・夫や家族などが緊張をほぐしたり、気を紛らわしたりして、産婦の精神的援助者になれるように事前に指導しておく。
・破水感のある場合は、陣痛がなくても入院を促し、入院前の入浴・シャワー浴は禁止であることを伝える。
分娩第1期
1)分娩開始:
周期的子宮収縮が1時間に5~6回以上生じる
・陣痛周期は10分から徐々に短縮し、7~8分、そして5分
になる。子宮頚管は陣痛発来により展退していく。
・自然排便がみられる。
・興奮、不安、緊張があらわれる。
・陣痛周期をはかり、いつもの生活を落ち着いて送るように努力する。
・家族は周りの人に助けを求め、入院への心身の準備をする。
・日中:入院の準備を確認し、日常生活を続ける。
夜間:できるだけ安静にして、体力を温存する。
・分娩施設に連絡し、入院の時期について相談する。
入院前:
・母親学級や妊婦保健指導で習ったことを思い出して行動するように事前指導しておく。電話による問い合わせ・相談:
・落ち着き、緊張の程度
・氏名、初経産、分娩予定日、陣痛初覚の時刻、今までの陣痛の変化と、今の陣痛の状態、破水や出血の有無、妊婦検診での診断や注意事項(骨盤位・妊娠合併症など)、交通手段と入院に要する時間などを
質問して、分娩進行状態の把握と入院の必要性を判断する。
・産婦の訴えをよく聞き、分娩の切迫性を判断したり、安心感を与えるためにも、家族よりも本人と会話するようにする。
・得られた情報から、入院や診察の必要性を判断したことをわかりやすく伝え、不安な気持ちを受けとめ、産婦が落ち着いて入院・来院できるように具体的な助言をする。
2)子宮口開大3cm~
・陣痛間欠4~5分、発作30秒、発作時に産痛を感じる。子宮頚管の展退と開大が急激に進みはじめる。
血性分泌物少量、産痛も少しずつ増す。子宮収縮はますます頻回になり、強さも増す・食欲の低下。
・陣痛が本格的となる。
・いよいよだ、がんばろうと思う。
・家族から離れること、入院環境になじめないことによる不安、心細さにより、助けを求める。
・自分のこと、周りのことに敏感になる。
・呼吸法などで対処することで不安が軽減し、自信が出てくる。
・排尿に行くのが億劫になる。
入院時:
・入院オリエンテーション
・情報収集、整理、記録、報告:問診、外診、内診、胎児心音の確認、胎児モニタリング、バイタルサイン、尿検査、血液検査。
・環境整備(空調、換気、光線、保温、歩行の安全)
・指示により、浣腸、与薬、検査の実施。
・産婦のニードの把握。
・自己の出産について、理解を促す。
・陣痛室での過ごし方(体力の消耗を最小限にする、分娩を円滑にすすめる方法など)について説明。
・呼吸法、弛緩法、圧迫法、マッサージ法の指導。
・破水後、骨盤位や羊水が多量に出血している場合は骨盤高位を保ち、歩行を控えさせる。

 

 

分娩第1期~第2期

身体的変化 心理・社会的変化 看護(アセスメント・助言・援助など)
3)子宮口5~6cm開大
・陣痛間欠3~4分、陣痛発作40~50秒と長く強くなる。
・初産婦では胎児が下降し始め産痛部位も下方に拡大、経産婦では初産婦に比べて下降する時期は遅れるが下降に要する時間は非常に短い。胎児下降により肛門圧迫感、排尿したい感じなどの自覚症状が出現。
・分娩が急激に進行するために、精神的に緊迫し、余裕がなくなる
・孤独感、不安感が増す。
・誰かに付き添ってもらいたい。
・陣痛や産痛に対処しようと努力する。
・身の回りの気遣いができなくなる
・産婦と胎児の健康状態の観察とアセスメント。
・現在の進行状況を説明。
・基本的ニードの充足。
・産痛や苦痛緩和:
・呼吸法、弛緩法などをリードしたり、あるいは共に行う
・情緒的、手段的(圧迫、マッサージ、温罨法)、
支持的、評価的な援助。
・体位の工夫への援助。
・不安の軽減:
そばにいる、重要他者との連携、不安の原因を知り、対処する。
・過換気症候群、血圧の上昇などに注意する。
4)極期始まり:
子宮口7~8cm開大
・陣痛間欠2分、頻回となり子宮収縮も強くなり、陣痛発作ピーク時に怒責感(排便したいような感じで胎児を娩出したい気持ち、いきみ)が生じ、息を止めてしまう。
・血性分泌物を多量に排出。
・自身と不安が交錯する。
・子宮収縮の頂点では、規則的な浅い呼吸をして力を抜く努力をする
・怒責感などの不快症状が増し、対処行動の実施が困難になり、くじけそうになりやすい。
・経産婦ならば分娩室に安全に移送する。
・そばに付き添い、産婦・胎児の観察をしながら、産婦のニードを把握し、タッチやマッサージ・圧迫によって全身のリラックスを促す。呼吸のリズム、深さをリード・調整し、怒責の回避を促す。
・対処できていることを毎回認め、主体性を支持する。
・間欠時には少しでも休息がとれるように、体温調整ができるように援助する。
・正常の変化であること、今後の見通し、短期的な目標を説明し、心の安定を図る。
5)移行期(極期、減速期):
子宮口8~10cm開大
・陣痛間欠2分、発作60秒
・胎胞の膨張→破裂(破水)
・仙骨部痛、怒責感にかりたてられる。四肢硬直、下肢の攣縮、嘔吐、吃逆、げっぷなどが起こることもある。
・全身に発汗著明、苦悶様表情、全身の硬直。
・徐々に呼吸法で回避できない怒責感となり、自己防御力が低下する。
・感受性が突然強くなり、恐怖感が増す。怒り、投げやりな態度を示す者もいる。自制困難となる。
・陣痛間欠時に眠気が生じる場合もある。
・分娩進行状態と胎児モニタリングを中心に観察。
・不安や苦痛、自己防御力のアセスメント。
・そばに付き添い、子宮収縮に合わせてタイミングを図り怒責が回避できるように援助する。
・産婦の頑張りを賞賛する。
・産婦のどんな行動も分娩による影響であると、ありのままに受け止める。
・正常の感覚や反応があらわれていることや、この状態が長く続くものではないことをわかりやすく教える。

 

 

分娩第2期~第4期

身体的変化 心理・社会的変化 看護(アセスメント・助言・援助など)
分娩第2期:
子宮口全開大(10cm)
・陣痛間欠1.5~2分、発作60秒
・産道拡張感、自制できない怒責感、児頭が骨盤底まで下降し、外陰部に圧迫感が生じる。
・児頭が膀胱や直腸を圧迫することによる自然排尿・排便が生じることがある。
・外陰部の膨隆、陰門・肛門が開く
・会陰の伸展による灼熱感
・児頭の排臨、発露。
・児頭娩出。
・胎児娩出。
・分娩室に移送され、怒責することが許可されると、意欲が増す。
・興奮しているが、積極的に分娩に対応する余裕が出てくる。
・陣痛発作時には骨盤底と大腿の力を抜いて骨盤誘導線の方向にいきむ。
・陣痛間欠時は休息を取る。
・指示に従い短速呼吸とする。
・救われた気持ちになる。
・完全に自分を取り戻し、満足感や達成感。安堵感に浸ったり、新生児に対して関心を持つ(五体満足か、男女どちらか、元気かなど)
・初産婦の場合、分娩室へ安全に移送する。
・産婦が分娩しやすいように分娩の体位を調整する。
・分娩介助者による清潔野の作成(外陰部消毒など)を介助する。
・分娩の準備できているかどうか確認する。
・分娩監視装置などによって陣痛と胎児の観察をする。
・分娩介助者の指示に従った行動を産婦がとれるように援助する。
・怒責の方法についてわかりやすく説明し、陣痛発来が開始したら深呼吸をしてから腹圧をかけるなど、効果的なタイミングを誘導する。
・陣痛発作がおさまってから、深呼吸を促し、全身の力が抜けるように援助する。
・怒責のたびに、産婦のがんばりを認め、勇気づけ、称賛を繰り返す。胎児も頑張っていることや、進み具合を伝える。
・娩出後、分娩介助者が新生児の娩出時刻、奇形の有無、性別などを確認し、新生児の一般状態がよければ、産婦が児と対面できるようにする。
分娩第3期:
・リズミカルな弱い収縮。
・胎盤剥離徴候。
・胎盤娩出。
・緊張感が次第に取れる。
・排便したいような感じがする。
・これから胎盤が娩出することを説明する。
・胎盤剥離の状態、子宮収縮状態と出血を注意して観察する。
・膀胱が充満していないか観察し、必要ならば導尿を行う。
分娩第4期:
分娩後~2時間まで
・子宮収縮と出血。
・後陣痛。
・会陰創傷部の痛み。
・悪寒・のどの渇き。
・幸福感、安堵感、喜び、誇り、無事に産むことができたと不思議に思ったり、お腹に赤ちゃんがいないことの神秘性を感じたり、感謝など、さまざまな気持ち。 ・一般状態を観察する。
・分娩直後2時間は分娩室で観察が必要なことを説明
し、家族との面会や休息をとれるよう配慮する。
・全身の清拭・更衣、保温、安静、飲水、軽い食事など
について援助する。
・記録類の記入・確認、報告、評価をする。

 

分娩監視装置(CTG)によるモニタリング

CTG:胎児心拍数モニタリング

・胎児心拍数モニタリングとは、母体腹壁に陣痛計を装着し、胎児の状態を評価する検査である。
・モニタリングにより、胎児心拍数陣痛図(CTG)が得られる。
・検査中、仰臥位低血圧症候群を予防するため、セミファウラー位で行う。
・分娩時は、陣痛という負荷に対する胎児心拍数の時間的な変化がCTG上に記録される。これを判読することで胎児および胎盤の状態を評価できる。

 

分娩中のCTG

・陣痛とそれに対する胎児心拍数変化の時間的な関係を判読する。
・胎児の健康状態を評価するだけでなく、胎児を取り巻く環境(子宮・胎盤・羊水量)の異常を発見することも重要である。