【看護学生向】結核の病態・症状、感染経路、診断検査、看護まとめ





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毒茄子のお勉強部屋では、

「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」

といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。

今回は【結核】について。

 

結核とは

疫学

・1950(昭和25)年まで、結核はわが国の死因第1位であった。
・1971(昭和46)年にリファンピシン(RFP)が結核医療の基準に収載されたことなどにより、罹患率が急速に低下。 その後、1980年代にはその低下の速度が鈍り、1997(平成9)年頃より新規登録患者が増加。
・1999(平成11)年には、厚生省が結核緊急事態宣言を発した。

感染数増加の要因、背景

①結核未感染者が増加したため、いったん患者が発生すると集団感染がおこりやすい
②建築物の気密性が高くなり、感染する機会が増えている
③免疫力を低下させる強力な治療が普及した
④結核菌を保有しながら発症していなかった患者が、高齢になって発病する

 

感染経路

・結核の感染経路は、飛沫核感染(空気感染)である。
・感染したのち、結核菌が体内で増殖し結核を発症する確率は生涯で10~15%程度である。
・感染直後の発症を一次結核症、数年以上を経て発症するものを二次結核症という。

 

主な症状

・咳嗽
・喀痰、血痰
・体重減少
・全身倦怠感
・寝汗 など

 

診断・検査

(1)胸部X線
(2)喀痰検査
(3)ツベルクリン検査 → 皮内注射、注射後 48~72時間に注射部位に生じた発赤の径・硬結を測定
(4)全血インターフェロンγ応答測定検査
(5)抗酸菌検査
・検体検査 → 喀痰の採取
・塗抹検査 → 蛍光法、チールネルゼン染色
・核酸増幅法 → 塗抹検査で鏡検された菌が結核菌か否かを迅速に検査
・培養法 → 小川培地
・同定方法 → 培養検査が陽性の場合、同定検査により菌種を決定する
・薬剤感受性検査 → 治療の成否を決定するために重要。結核菌が検出された場合には、必ず薬剤感受性検査を行う。

治療

結核治療の中心は、抗結核薬を用いた化学療法である。
複数の薬剤を併用し、耐性菌の出現を防ぎ、治療終了後の再発を予防する。
内服忘れ、中断をさせないことが重要であり、直視下服薬監視療法(DOT)などが行われる。

代表的な結核の治療薬

薬剤名 略号 主な副作用 モニタ 備考
イソニアジド INH(H) ・肝機能障害
・末梢神経障害
・薬剤相互作用
・肝機能
・手足のしびれ感
・肝機能障害は、年齢、飲酒などで増加する
・末梢神経炎の危険が高い場合など、必要に応じてピリドキシンを併用する
リファンピシン RFP(R) ・消化器障害
・薬剤相互作用
・肝炎
・発疹
・出血傾向
・血算
・肝機能
・多くの薬剤との相互作用がある
・尿などの体液をオレンジ色にする
・ソフトコンタクトレンズが着色される
ピラジナミド PZA(Z) ・肝機能障害
・発疹
・消化器症状
・関節痛
・高尿酸血症
・肝機能
・尿酸値
・病変部が酸性(pH5.0~5.5)でないと有効でない
・おもに治療初期2ヶ月に使用される
エタンブトール EB(F) 視神経炎 ・視力
・色覚
・定期的に眼科で検査を行う
・視力検査ができない小児に使用する場合は要注意
ストレプトマイシン SM(S) ・聴神経障害
・前庭機能障害
・難聴
・腎毒性
・平衡感覚
・聴力
・腎機能
・腎機能障害のある場合には、要領に注意

 

院内感染対策

<心構え >
・結核患者の85%は一般の診療所、病院で発見されている。
・医療従事者自身が感染源とならないよう、注意が必要である。
・結核は飛沫核感染(空気感染)のため、感染者の早期発見、感染対策が重要である。

<早期発見>
・結核が疑われる場合は、胸部X線写真、抗酸菌検査(おもに喀痰)を行う。
・咳嗽の激しい患者にはマスクを着用させる。
・外来で疑わしい患者は、診療の順番を繰り上げるなどし、他の患者と分ける。

<感染者・排菌者が発生した場合>

①感染性の判断

感染の疑いが濃厚な患者、検査で陽性の患者が発生した場合は、ただちに保健所に患者発生届けを提出し、隔離(勧告入院)の必要性について判断を仰ぐ

②飛沫検査での注意点

抗酸菌検査では、結核菌以外にも抗酸菌染色され顕微鏡下で鏡検されるものがあり、他の検査と合わせて識別する必要がある。

③N95マスクの着用

・結核は飛沫核感染であるので、N95マスクを着用する。
マスクは、顔面にしっかりと密着するように正しく着用することが重要である。
マスクが正しく着用できているかどうかは、シールドテストやフィット試験で確認できる。
・患者本人には、結核菌を含む飛沫の喀出を防止するため、サージカルマスクを着用してもらう。

④感染経路の遮断

・独立陽圧換気が可能な個室に患者を移動する。
・独立陽圧換気が可能な個室が確保できない場合、患者を個室に移動し、その部屋の空調を停止する。

⑤結核菌の消毒

・最も有効な方法は、10分間の煮沸。60℃では30分以上の煮沸でないと死滅しない。

[有効] ・フェノール
・クレゾール石けん水
・ポピヨンヨード(イソジン)
・消毒用エタノール
・次亜塩素酸ナトリウム

[無効] ・逆性石けん
・合成洗剤
・クロルヘキシジン(ヒビテン)

・結核菌はどのような環境でもしばらくは生存可能である。衣類・寝具・床などに付着した飛沫の水分が蒸発したあとにも、飛沫核となり空気中を漂い、感染源となりうる。
・紫外線照射は有効な方法であり、衣類・寝具は日光消毒や殺菌灯で対処する。
・食器などからの経口感染は起こらない。

⑥手続き

2007(平成19)年4月より、結核予防法が廃止され、感染症法のもとで第2類感染症として管理されるようになった。

・必ず所轄の保健所に患者発生の届け出を行う。
・周囲への感染性の有無、基礎疾患、合併症、全身状態などについて検討し、結核病床を有する病院への転送の必要性を判断する。治療費の公費負担が継続される。

 

 

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