【看護学生向】鉄欠乏性貧血:症状、原因、治療





お勉強大好きナース、毒茄子です。

勉強用コーナーは看護学生、医療系学生向けにお送りします。

「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」

といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。

今回は【鉄欠乏性貧血】について。

 

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血とは

鉄の欠乏によって、赤芽球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血であり、一般に若年~中年女性に多い。貧血の中では最も頻度が高く、日本での貧血の約2/3を占める。

原因

鉄欠乏性貧血をきたす原因は、鉄の「吸収低下」「需要増大」「喪失亢進」に大別される。

 

原因 吸収低下 需要増大 喪失亢進
主な例 ○胃切除
○無胃酸症
⇒胃酸がないので、Fe3+がFe2+に還元されず吸収できない
○妊娠、授乳
⇒胎児や乳児への鉄供給のため、需要が増す
 ○月経
○婦人科疾患(子宮筋腫、子宮内膜症など)
○慢性消化器出血  (がん、消化管潰瘍、痔核など)
⇒慢性の出血により、血液とともに鉄を失う
 ○ダイエット・偏食
⇒鉄の摂取量が少ない
 ○成長期
⇒骨格筋の発達に伴い、鉄需要が増す
 ○吸収不良症候群

 

症状

<鉄欠乏性貧血の特徴的な症状>
・舌炎
・口角炎
・嚥下障害
・萎縮性胃炎
・異食症
・スプーン状爪
<他の貧血とも共通する症状>
・頭痛、めまい
・眼瞼結膜蒼白
・動悸、息切れ
・易疲労感

治療

 鉄欠乏性貧血の治療は、原因の除去鉄の補充(鉄剤投与)が原則となる。まずは鉄欠乏の原因を探し、原因疾患があればその治療を行う。
○鉄剤投与<

■経口投与
・症状が改善しても、貯蔵鉄を反映する血清フェリチン値が正常化するまで服用を続けることが重要。
・副作用として、胃腸障害が最も多い。
※副作用が強いときは空腹時を避け、食後に服用する。
■経静脈的投与
・副作用が強い場合や、胃切除・消化管病変により鉄の吸収障害がある場合、鉄の喪失が多量な場合(潰瘍性大腸炎など)に例外的に行う。
・ヘモジデローシスや、まれにアナフィラキシーショックを伴うことがあるので、過剰投与に注意。(※ヘモジデローシス:長期の貧血や頻回の輸血により、有効利用されず貯蔵されたフェリチンが変性してヘモジデリンとなり、肝臓や脾臓などの網内系に蓄積する。進行すると、心臓など臓器組織に沈着し、色素沈着、肝硬変、糖尿病、心筋障害などをきたす)

○注意点

・制酸薬、テトラサイクリン系抗菌薬と併用すると、鉄の吸収を阻害するため、併用は避けたほうが良い。
・ビタミンCは鉄を吸収しやすいFe2+に保つため、併用することがある。
・適宜、栄養指導を行う。
※鉄を多く含む食品...凍り豆腐、レバー、しじみ、ほうれん草など