【看護学生向】高齢者の終末期看護:経過、援助・ケアまとめ





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毒茄子のお勉強部屋では、

「手元に教科書がないけどちょっと検索して見たい情報がある」
「レポートにまとめるときに参照したい」

といったときに教材・ノート代わりに活用して頂けるものを目指しています。

今回は【高齢者の終末期看護】について。

 

高齢者の終末期の定義

日本老年医学会は、高齢者の終末期の医療およびケアに関する日本老年医学会の立場表明において終末期を「病状が不可逆的かつ進行性で、その時代に可能な最善の治療により病状の好転や進行の阻止が期待できなくなり、近い将来の死が不可避となった状態」と定義した。

これまで一般的に終末期というと余命6ヶ月を想定することが多かったが、慢性疾患や、老化、障害をあわせもつ高齢者の予後予測は困難であり、同学会はあえて時間的な定義を設けなかったとしている。

 

エンドオブライフ-ケア

ターミナルケアや緩和ケアに付随する疾患限定的なイメージから離れ、時間的予測が困難で、慢性的に推移する高齢者の終末期にふさわしい新しい概念として、最近では、エンドオブライフ-ケアが使われるようになってきた。

先行する用語に比べて疾患のいかんによらず人生の晩年期を死のそのときまで生きる、という意味合いが強調されているように思われる。

 

終末期のプロセス

①急死型

身体機能が高い段階での心筋梗塞や脳出血などによる突然の死亡(急死型)

 

②予後不良疾患型

がんなど予後不良の疾患による死亡までのプロセス

 

③臓器不全型

慢性疾患による器官系の機能低下や障害が徐々に進み、その過程で脳梗塞の再発や誤嚥性肺炎などを繰り返しながら進む経過

 

④老衰型

老衰の進行、あるいは身体疾患を合併しない認知症の高齢者が少しずつ衰退していく

 

看護ケアの実際

終末期にある高齢者からは、予後の予測につながる有効な身体徴候を特定することがむずかしい。なぜなら、加齢変化に加えて、高齢者の多くが複数の慢性疾患や障害をもち、終末期の様態が不鮮明になるからである。

そのため「なんとなく元気がない」「最近、食事摂取量が減ってきた」「座位保持時間が短くなってきた」というような日常生活におけるささいな変化から、終末期の進行に気づくことが多い。

 

終末期の身体徴候・経過

死亡6ヶ月前~

食事摂取量の減少や、消化吸収力の低下は体重減少につながり、これは死亡6か月前くらいから
ゆるやかに進む

死亡数か月前~

やがて、臥床傾向の増強、むせや飲み込みの悪化がみられ、これらは死の数か月前から漸次低下することが多い。その後、喘鳴や痰・嚥下困難・発熱などの症状が持続すると、徐々にバイタルサインにも変化がみとめられるようになる。

終末期 終盤~

呼吸の異常(下顎呼吸やチェーン-ストークス呼吸)、低体温、血圧の低下などの変動は終末期の終盤に近い。

死亡数日前~

死亡数日前から当日になると、これに無尿や意識レベルの低下が加わる。

いくつかの日常生活動作や身体徴候を継続的に観察することによって、生活力や生命力の衰えを具体的にとらえることができる。具体的な事象の評価を通して、生命の衰えを具体的にとらえることができる。

具体的な事象の評価を通して生命の衰えゆく経過を予測し、あわてることなく終末期ケアを組み立て、家族が悔いを残すことがないよう説明や支援を計画することが求められる。

 

合併症の予防

起こりやすい合併症

<肺炎>

肺炎は高齢者の死因となる疾患で、セルフケア能力の低下により全身機能の低下につながる

<褥瘡>

老化による皮膚の脆弱性、低栄養、発熱による湿潤、関節拘縮・筋力低下による不動状態などが重なることで、褥瘡を合併しやすい。

清潔ケアと、身体可動性への援助

合併症の連鎖・進行を断ち切るために重要なのが、清潔ケアと身体可動性への援助である。

最近は終末期リハビリテーションの重要性が指摘され、具体的な援助項目の中に清潔ケアや不動による苦痛の解除、著しい関節の変形・拘縮の予防があげられている。

 

合意形成への貢献

事前指示、尊厳死の宣言書

終末期の様相が深まるにつれ、高齢者の意思表示は難しくなる。

・事前指示(アドバンスディレクティブ)は予後不良の疾患にかかったとき、植物状態に至ったとき、および終末期に至ったときそれぞれにおいて、治療や延命医療に対する事前の意向と、自分にかわる代理人を所定の書式に従い明記するものである。

・尊厳死(リビングウィル)の宣言書には代理人の指定を含まない。臨死期や植物状態になった際の延命医療を望まないという意向を明らかにするものである。

 

家族を含むチームとしての合意形成

尊厳死の宣言書や事前指示があれば高齢者の終末期の意向すべてがわかるわけではなく、家族が高齢者の本当の意思を代弁できるとも限らない。そこで、2007(平成19)年に厚生労働省から、終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインが出された。

☞ガイドラインに挙げられていること

・インフォームドコンセントに基づく患者の意思が明確な場合には、これを基本に方針を決めていくこと
・患者の意思が確認できない場合は、家族・医療ケアチームとで話し合い、合意をつくりあげていくこと
・意見がまとまらない場合は、法律家や宗教家などの専門家からなる委員会を設置する

 

家族への援助

家族のケアへの参加

・臨終に間に合わなかった、十分に世話をする時間がとれなかった、病院や施設で心無い扱いを受けた等、家族の心残りは多々ある。心残りの軽減や、死別後の悲嘆からの回復には、終末期ケアへの参加が有用とされている。
・その家族が長年培ってきた関係性や価値観のなかで、個々のニーズに沿った終末期ケアへの参加のあり方を模索する姿勢が看護師に求められる。

 

終末期のプロセスの説明

・在宅で終末期を過ごす場合には、あらかじめ家族に対し、終末期がどのように進んでいくのかを、死の三徴候(呼吸停止・心停止・瞳孔散大)も含め説明をしておく。
・どのような状態がみられたら、どこに連絡するというようなマニュアルを作成しておくとよい。

 

高齢介護者への配慮

介護者も高齢であることが多い。高齢介護者のおもな続柄は夫や妻であり、介護者の疲労や健康状態にも気を配る必要がある。

 

残された配偶者

配偶者を失った高齢介護者は、うつ状態に陥る危険性が高い。
悲嘆のプロセスからの回復が滞った状態ともいえる。配偶者と死別するということは、長年生活を共にした大切な人を失うことのみならず、老夫婦二人暮らしの場合には、家事役割や対社会的な付き合いなど、新たな役割を担わざるを得ない。さらに収入の減少による生活の縮小、子ども家族に引き取られ転居など、さまざまな生活の変更に適応しなければならない。これらの適応への不具合が、悲嘆のプロセスの回復をそこねてしまう。

 

遺族ケア

セルフヘルプグループ

死別後の配偶者を含む家族に対し、我が国では家族会組織において、介護を終えた会員が経験者として後輩の相談にあたりつつ、みずからの介護経験を意味づけ、結果として悲嘆を癒す(グリーフワーク)ことに効果を示しているという。

 

社会資源

外来や医療相談室、訪問看護ステーションなど、高齢者が亡くなったあとの遺族ケアを担うフォーマル、インフォーマルサービスの充実が求められる。

 

 

 

 

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