【病は気から】メカニズムを解明?!ストレスと不調の関係





先日、北海道大学の同大学遺伝子病制御研究所 所長の村上正晃教授らの研究グループから「病は気から」の分子メカニズムを解明する研究成果が発表されました。この成果は8月15日、生命科学の専門オンライン誌「eLIFE」に掲載されました。

・マウスに慢性的なストレス(睡眠障害等)をかけた後に脳内に病原性の免疫細胞を移入すると、脳の血管に微小な炎症が誘導され、消化器や心臓の機能障害による突然死が起こることを発見。
・脳内にこの炎症を引き起こす病原性「CD4+T 細胞」の有無を調べることで、ストレス性疾患や突然死を予測できる可能性を指摘。

”これまでのマウスの実験で、重力や痛みの刺激によって「ゲートウェイ反射」が起こり、特定の神経回路の活性化を通じて免疫細胞の侵入口が中枢神経系のそれぞれ別の場所の血管に形成されることで、中枢神経系の炎症状態が変化することが証明されている。”

“今回の研究では、ストレスで神経が活性化されることで脳内の特定の血管に免疫細胞が侵入し微小炎症が引き起こされる新しい「ゲートウェイ反射」を発見した。”

”慢性的なストレスを誘導したマウスの特定血管部位にサイトカインなどを直接投与し、微小炎症を誘導したところ、マウスは同様に胃・十二指腸潰瘍心機能低下を引き起こし、突然死した。特定血管周囲で生じた微小炎症により炎症誘導因子として知られるアデノシン三リン酸(ATP)が分泌され、分泌されたATP がさらに神経伝達物質として働くことで新規の神経回路が活性化し、胃・十二指腸炎症、心機能低下が生じていることが分かった。”

”今回の研究により、脳内に生じた微小炎症が新たな神経回路を活性化することで臓器の機能を低下させていることが、世界で初めて明らかとなった。”

 

脳は全身の司令塔。過度なストレスは脳の働きを阻害して、臓器への指令を狂わせます

ストレスが自律神経や免疫のバランスを乱すことは、昔から病気のメカニズムとして言われ続けています。

今回は、ストレスと私たちの体の関係について詳しくお話ししていきたいと思います。

 

ところでストレスって・・・何なんだろう

 

ストレスは、ゴムボールを上からギュッと押しつぶしたのと同じような状態である。ボールを歪ませた手の力が「ストレッサー」であり、それによりボールが歪んでいる状態が「ストレス状態」ということになる。

 

ストレッサーによる圧力が加わっている状態のことを、ストレス状態といいます。

 

ストレスの原因「ストレッサー」とは

ストレッサーは、大きく【外的ストレッサー】【内的ストレッサー】の2つに分けられます。ストレッサーは社会や人との交流だけでなく、暑さや寒さなどの生活環境からも生じています。

外的ストレッサー 物理的ストレッサー 寒暖の変化、騒音、排気ガス、高低音による刺激など
社会的ストレッサー 人間関係、経済状態の変化など
内的ストレッサー 心理的・情緒的ストレッサー 緊張、不安、悩み、怒り、焦り、寂しさ、憎しみなど
生理的・身体的ストレッサー 疲労、不眠、健康障害といった生理的、身体的状況の変化など

 

私たちの心身のバランス守ってくれる仕組み、ホメオスタシス

 

私たちの身体は、身体の働きを調整する「自律神経」、ホルモンの分泌を司る「内分泌」、外部から侵入する異物から身体を守る「免疫」の3つのシステムにより守られています。

この3つのシステムが協力し合い、常に体温や血圧などを一定に保ち、外敵と戦い、私たちを守ってくれています。この働きを【生体恒常性】【ホメオスタシス】などと呼びます。

バランスが崩れると、心身の不調につながる

 

外部からのストレッサーが長期的に加わり続けると、自律神経のバランスが不安定になり、ホルモンバランスが崩れ、免疫の働きが弱まり、さらに自律神経が乱れる・・・と悪循環に陥ります。ストレスがホメオスタシスを乱し、万病のもとになることがこのサイクルから伺えます。

ストレスと個人の性格

ストレスを感じやすいタイプには以下のようなものがあります。

①まじめで几帳面、優等生・模範生タイプ ・責任感が強く妥協できない、完璧主義者
・最もストレスを感じやすいタイプ
②自己中心的タイプ ・自分の思い通りにならないと気が済まない
・他人の失敗が許せず、怒りがストレッサーになるタイプ
③NOと言えない、内向的タイプ ・嫌なことでも断れない
・後から悩んだり、自己嫌悪に陥りやすいタイプ
④取り越し苦労の多い、心配性タイプ ・先読みをしてあれこれ心配し、心の休まる暇がない
他人に気を使ってばかりいるタイプ

ストレス = 悪

と感じている方が多いと思いますが、ストレスは生きていくうえで必要なものです。適度なストレスは脳の働きや免疫機能を活性化し、人の成長につながるものとされています。

どこまでが適度なのでしょうか?同じ体験をしてもどれだけストレスを感じるか、それは個人差があります。

上記の【ストレスを強く感じるタイプ】に当てはまる方は多いのでないでしょうか?これらの性格の人は、うつ病や不安障害など心の病気ににもなりやすいといわれています。

ちなみに私は、うつ病になった20代前半まで典型的な①③④タイプでした。

今は・・・どれにも当てはまりません。

大切なのは、自分の生活の中にあるストレスに気づくこと

 

真面目で内向的、心配性・・・それも個性です。

「私の性格がいけないの?」と思い悩む方もいるかもしれませんが、無理に自分を変える必要はないと思います。

それより大切なのは、身体のどこかに不調が表れたとき、そのサインに自分で気づけること。

悩めば悩むほど、ストレスは膨らみ心身のバランスは崩れていきます。なるべく好きなことをして、いつも頑張っている自分を褒めて労わって大切にしてください。

自分を大切に健康を保っていくこと、それは周りの人にも伝染していきます。

まずは自分を大切にすることから。ストレスを溜め込みやすい優しい方にこそ、人を気遣う前にご自分の身体にしっかりと目を向けて欲しいです。

明日、今日より健康になりますように。

 

 

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